

2020年8月12日にWordPress 5.5 がリリースされたましたが、 アップデート後にクラシックエディターに関連したトラブルの報告を多数見かけます。
私が運営している他のサイトでも同様の問題が発生しました。
発生した不具合
- SiteOriginPageBuilderが正常に動作しない
- クラシックエディタでの公開日や公開ステータスの変更ができない
- クラシックエディタの更新ボタンを押しても無反応
一部のサイトで「Page Builder by SiteOrigin」を利用していますが、クラシックエディターの画面にタブが表示されず編集できない状態になり、ページビルダーを使用していないサイトでも「ステータスの変更ができない」「更新ボタンを押しても反応がない」などの現象を確認いたしました。

トラブルの原因は「古いバージョンのjQuery」
WordPress5.5へのバージョンアップ後にクラシックエディターの動作に問題が発生したなら、その原因はjQueryの古い記述が残ったままのテーマやプラグインである可能性が高いです。
WordPress 5.5 では古いバージョンの jQuery との記述の差異を吸収するプログラム「jQuery migrate」が同梱されなくなったため、古い記述が残ったままのプラグインやテーマでは正しく動作しなくなることが主な理由です。
解決するには「Enable jQuery Migrate Helper」のインストール
ブロックエディタのグーテンベルグへ移行せずクラシックエディターを使うとすれば、応急措置的な対処方法として最も効果的なのが『Enable jQuery Migrate Helper』を活用する方法です。
インストールして有効化すればとりあえずは目の前の問題を解消することが可能です。
古いバージョンのjQueryが原因の場合は、このプラグインをインストールして有効化すれば、おそらく問題は解消しているはずです。
ですが、問題が解決したとしても注意しなければならないことがあります。
それは「このプラグインを使った対処法は一時的なもの」ということです
現在は、Enable jQuery Migrate Helper プラグインを使用して、jQuery JavaScript ライブラリの非推奨関数を使用する古い JavaScript コードのサポートを有効にしています。
これは WordPress 5.5.0 と 5.6.0 の間でのみ機能する一時的な解決策であり、サポートされていないコードの永続的な修正を意味するものではないことに注意してください。警告が表示された場合は、更新のためにそれらを生成したテーマまたはプラグインを確認する必要があります。おそらくインストールできるものがあるでしょう。 プラグインやテーマを更新して、警告が出なくなったら、Enable jQuery Migrate Helper を無効化してください。
* スクリプト、ファイル、他のいくつかのコードは、開発者がより最新のコードに置き換えたり、完全に削除したりしている場合には、非推奨となります。
インストールするとダッシュボードにこのような文章が表示されます。
わかりやすく言えば「とりあえず5.5から5.6への移行期間なんとかするから、Enable jQuery Migrate Helperが働いているうちにそれぞれ対応してくださいね」ということです。
なお、使用しているプラグインに古いバージョンのjQueryの記述があることが検出されるとこのような警告文が表示されます。
この警告文が出ないようにテーマやプラグインのバージョンアップ等の対応をしたり、必要ならプラグインの開発者にプログラムの改修をお願いしなければなりません。
まとめ
重ねていいますが、今回の方法はあくまで応急措置という位置づけです。
最も単純な解決方法は、WordPress標準エディタであるブロックエディタ「グーテンベルグ」を使用する方法に切り替えることですが、なかなかそうも行かない方がほとんどだと思います。
トラブルが起きるJQueryを使用しているテーマやプラグインがWordPress5.5にすべて対応すれば解決しますが、実際問題としてそれを期待するのはあまり現実的ではありません。
クラシックエディタのサポート期限は2021年予定とされていますし、そろそろ新しいスタイルでの記事編集を考える時期なのかもしれませんね。
そして最後に。
WordPressや重要プラグインのバージョンアップを実施する際は、必ずバックアップを取ってから行うことをおすすめします。
今回は以上です。